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1. 夢のはなし

 この曲がふっと出来た時に「あ、アルバム作れるな」と思った。一曲目はこれだなと。で、ライブでやってみたら結構反応があった。歌詞に対して色々思うみたいで、批判もされた。友川カズキさんにも歌詞の直しを言い渡された。でも、まあ直しもせずそのままレコーディングした。これはピアノのkyOnさんと別々のブースで同時に録音して、歌は後でちゃんと録り直そうとしたけど、上手くいかなくて結局その仮歌をokにした。一発録音の雰囲気が出てていいかなと。イントロの風みたいな音は、ヤマハのアナログシンセで作った。この音の微調整は何日も掛かった。このイントロだけで、買ってよかった!と思わせたかった。イントロのピアノのコード進行は「東京の恋人」のサビのもの。『東京の恋人』が終わって、次に行く感じが出したかった。

2. カップルシート

 この曲からバンド編成。ドラム、久下さん。ベース、上田ケンジさん。サビのコーラスにアチコさんに参加して貰った。ギターは全部自分。今回ギターは全部自分で弾こうと決めてた。下手なんだけど、このイントロのリフは誰にも弾けないと思った。僕のアルバムは、1曲目でカマして、2曲目がポップで爽快な曲が入る。前作は「うなぎデート」だった。これはずっとパターンというかクセなのかもしれない。
キック、スネア、ベースの音が何度聴いても飽きない感じなのはエンジニア早乙女さんの腕。デジタルだけど、アナログっぽい温かさもある不思議なリズムの音になった。

3. LIFE

 3曲目は息切れしながらも、頑張ってる。この曲は『東京の恋人』を作る前にあった。『SING A SONG』(04年作品)終わってから作った。宅急便の仕分けのバイトをしていて、その二ヶ月間作業中ずっとこの曲のサビのメロが鳴ってた。形にしたのはそれからしばらくして経った頃だった。リズムセクションに加えて、ピアノにkyOnさん、キーボードにソウル・フラワー・ユニオンの奥野さんに入ってもらった。奥野さんとは何年か前にたまたま飲んで、それから何度か連絡貰ったりしたけど、一緒にスタジオに入るのは初めて。僕の音楽を聴くのは実はこの時が全くの初めてで、来る前にミュージシャン友達に「今日、パラガの豊田くん所で弾くんや」と言ったら「ああ、ノイズの」と言われたらしい。

4. 飲みに行こうか

 これはサンプル聴いたひとから、「頭3曲飛ばした後の箸休め的な佳曲」と言われて、ああ、その通りですという感じ。

5. 軽症

 一年くらい前に作った小曲。自分で言うのはおかしいが、こういう曲は自分では巧いと思う。まあ他にこんな曲作るひとがいないからか。ミュージシャンならここから色々展開させて発展させようとするが、僕はすぐあきらめてしまう。これは仮ミックスのちょっと粗い雰囲気が好きで、それを使った。間奏での上田さんのベースが効いている。ピック弾きでビートっぽいけど、ロマンチックなフレーズが出て来る上田さんのベースがたまらなく好きだ。

6. マイ・ラブ

 こういう簡単そうな曲がレコーディングでは意外に手間取る。前作では「RIVER」が時間がかかった。アルバムの中にはこういうちょっと中だるみの時間も必要。眠くなるのも悪くない。実際この曲のプレイバック中はいつも眠くなっていた。アレンジで煮詰まって、ヘンなエフェクターかましたり色々やってたら早乙女さんが「中学生っぽくなってきたね。いい歌なんだから勿体ない」と言ってくれて、はい、と何もギミックのない状態に戻した。そしたら退屈は退屈なんだけど、まあいいやと。

7. 小さな神様

 赤ちゃんの曲。ライブでは賛否両論。わかりやすいことするなと批判される気持ちもわかる。「いい曲ですね」と言われるのも照れくさい。これはアコギ弾きながら歌って、トイピアノを被せた。アコギはギブソンのLG-2。1950年製で、ライブではちょっとパワー不足で使わなくなっていたが、今回のレコーディングでは大活躍した。マイク乗りが抜群によかった。このテイクは録音してその夜に作った仮ミックス。適当に掛けたリバーブが気に入った。本チャンでやるとここまで力は抜けないものだ。

8. 90年代

 ここからアルバム後半戦。この曲は大阪のホテル関西のイメージだったが大分違う感じになった。大阪ではなく、新宿でもなく、五反田な感じか。行かないひとにはわからないか。kyOnさんのオルガンがアーバンな感じ。一番始めの久下さんとのリズム録りで、エンディングで頼んでもないのにドラムが暴走して、あ、違うやんって思いながらもやり直すのは面倒くさいので、これはこれでokにした。レコーディングはあまり自分がコントロールしてもこじんまりとしてしまうので、こういう事はよくある。

9. 8.11昼

 倉庫でバイトしてた時、一緒に働いていた若いやつが急に来なくなって、どうも捕まったらしいと知って、小菅の拘置所に行ってみたらそこにいて面会した。その帰り、荒川の土手でぼーっとしてた。「3年B組金八先生」で見る風景だった。何のために作ったのかわからないような曲だが、ライブではすごく歌いたくなる時がある。上田さんのベースでボトムがグッと出て、かっこよくなった。間奏ではトレモロ・ギターを重ねた。何の工夫もないが、気に入ってる。

10. 雨がやんだ

 実は作った時には「どうかなあ」と思っていたが、ライブでやってみると好きと言ってくれるひとが多かったので、いつの間にか定番曲となった。やっぱりピアノが入ると、すごいポップになる。サビでは奥野さんのシンセが不思議な感じで鳴ってる。サビで歌が微妙にタイミング遅めだが、それはそのままにしている。

11. このみ先生

 『東京の恋人』が終わって出来た曲だった。退屈というのがテーマだった。今は子供が産まれたので、退屈と思う時はなくなってしまったが、またこの先に退屈があるのかもしれない。それを知った時、「続・このみ先生」を書けるかもしれない。

12. ビスケットの歌

 映画『赤い文化住宅の初子』のサントラ用に作った曲があり、それに歌詞を付けた。映画はヒットしなかったようで残念だった。この歌詞は気に入ってて、自分で歌ってライブでやっていたが、ふと女性に歌ってほしくなり、小島麻由美さんに来て貰った。小島さんと会うのも実に久しぶりだった。これは歌は小島さんのソロだったが、それがあまりにも強い印象で、アルバムの中では浮くかもしれないので、僕の声も重ねた。キーが低過ぎて、またその日風邪だったので、いつにもましてひどい声だが、小島さんの素敵な声と稀に見る悪声の対比はよいかなと思った。

13. メール

 得意の小曲。こういう曲は大阪のお客さんの方が反応あるのは、なんでだろう。これはアレンジ的には一曲目の「夢のはなし」と対になる。いい加減に叩いているデジタル・パーカッションは、スタジオに持ち込んだ自分のiBookのGarage Bandのパーカッション音色で、キーボードを目をつむって叩いた。こういうのは考えたらよくない。

14. サマー・ガール

 最近作った曲を最後に持って来た。何とも落とし所のない曲で、結局特に何も考えないでレコーディングした。リズムセクションのスリリングさはまず耳に飛び込むが、kyOnさんのオルガンもアンプから火を噴くようだった。フレーズというより、電圧をこの曲に注入してくれた。どの音も逞しく鳴っている。男臭い音の中で、ほんの僅かな川本真琴さんの客演も効いた。エンディングの後半から、久下さんのスネア・ドラムが2拍4拍と出てくる。その音が最高にかっこよかったので、終わり良ければ全て良し、というわけではないが、このアルバムを作れてよかったと思う。
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