FourColor、minamo、fonicaなど数々のユニットで日本は勿論、海外でも活躍する杉本佳一によるソロ・プロジェクト、FILFLA。
セカンド・アルバム『FROLICFON』で新たな境地に到達し注目を集め、4月26日のエクス・ポナイトでバンド編成でのライヴも控えている現在、彼に新作の話を中心にインタビューを行った。
Interview & Text by 嵐直之(asuna)


- FILFLAのセカンド・アルバム発売ということで、それを中心に杉本さんの活動全体について聞きたいと思います。まず、ニュー・アルバム『FROLICFON』の聴きどころはやはり生ドラムやはっきりとしたヴォーカルの導入など、ポストロック然としたダイナミックなバンド・サウンドにあると思いますが、前作の『FRAME』からのこの大きな変化について聞かせてください。

 前作の『FRAME』はまさに「エレクトロニカ」といえる要素が中心の作品ではあったんだけど、バンド編成でやるっていうのは元々意識はしていて、それを想定して作られていた部分もあるし、それはFILFLAとしてユニットがスタートした時から頭にはありましたね。

- 『FRAME』発売時のツアーでのライヴもバンド編成でしたよね。今作と同じく佐治宣英さんがドラム、そしてmondiiさんがベースで。その時の経験が反映されて『FROLICFON』の作風に繋がったのかと思ったんですが。

 前作も時間があればバンド的な録音もしたかったんだけれど、技術的な部分とか他にもいろいろ問題があったので。今回はちゃんとしたスタジオでレコーディングもさせていただけたので、やっとやりたいことを具現化できる体制が整ったという感じですね。

- これまでのFILFLAの楽曲の特徴として、ギターの短いフレーズなり単音なりを弾いた音をサンプリングして、そのギターのサンプリング音を基に楽曲を組み立てて行く点にあったと思うんですが、バンド・サウンドへと変化した今作ではそれらの曲作りに変化はありましたか?

 それはやっぱり前作とは違いましたね。スタジオでドラムを録ったりゲスト・プレイヤーに入ってもらったわけだし、ヴォーカルについてはコラボレートで作っていったので。ほんとに前作はまさにデスクトップの中でほぼ完結していましたし。でも曲作りのプロセスというか楽曲の組み立て方についてはそんなに変化があったわけじゃないかな。ギターのフレーズを考えてそこからエディットをしていくという作業は基本的に同じだったので。変わったというより、増えたというか。やらなきゃいけない作業が倍くらいになってましたね。

- 杉本さんのもう一つのソロ・ユニットであるFourColorの最新作『LETTER OF SOUNDS』でもヴォーカル入りの曲が収録されていて、こちらでも楽曲指向が打ち出されて来ていますが、FILFLAとの違いはどういったところにあるんでしょうか。

 自分の中ではそれぞれのユニットは割と明確に区切られていて、FILFLAの場合ではコンポーズを中心に考えていて、楽曲の構築の仕方とか楽器の使い方に関しても突き詰めていけたらと思ってます。FourColorでは逆に偶発的な要素というか、即興でいろいろ試しながら録音したものが基になっていたりしますね。もちろん音源にする際に音質であったりとか細部は整えたりはしますけど、それに至るプロセスはFILFLAとは全然違いますね。昔のFourColorだと自分の興味のあるものをそのまま作るだけでしたけど。minamoの活動をはじめとしてFourColorの音楽性もエクスペリメンタルよりになってはいたんだけど、最初は結構違ったりしていて。

- たしかに初期のFourColorの『Track Spoon』や『four color』といったアルバムでは楽曲の構成がしっかりとあって、軽いブレイクビーツにギターのフレーズが絡んでいくような所謂ポストロック的な曲が中心でしたよね。そういった元々持っていた杉本さんの音楽性が『FROLICFON』で再び浮上してきたということなんでしょうか?

 いや、今作のような雰囲気のものをやりたい気持ちはずっとあったけど、昔は自分で納得のいく到達点まで来られなかったというか……。今回は録音段階から佐治くんとかmoskitooと一緒にやったり、想像していたものと実際出来上がったものとのギャップがやっと無くなってきた感じですかね。

- 今回はドラムのスタジオ録音とマスタリングのエンジニアをAudiocityの北村秀治さんにお願いしたわけですが、当初ご自身で思い描いていた部分と、実際に録音してみた後ではどのような感想をもたれましたか?

 自分以外の人が少しでも関わると、こんなにも表現の幅が違うんだなって思いましたね。もちろんminamoとかfonicaであるとかグループでやっていたりするので、メンバー間の相乗効果みたいなものもあったりしますけど、それとはまた違って、エンジニアの方が付くと空気感が違うというか。それはスタジオの空気感とかではなくて、自分の音の空気感が新鮮になったというか。やってる間は苦労もすごく多かったですけど……。やっぱりドラムのミックスには時間かかりましたね。電子音との兼ね合いも含めて。最初はミックスも北村さんにお願いしようとも思ったんですけど、結局自分でやって良かったかもしれませんね。今後にも活かせるし。

- では今後のFILFLAではバンド編成での活動が音楽性のメインとなっていくのでしょうか?

 生楽器と電子音の融合というのは昔からやりたいことでもあったので、バンドでの活動は続けたいですね。あとホーン・セクションやストリングス等のアレンジもやってみたいです。

- トランペットやサックスもminamoのライヴで披露していた時がありましたよね。

 いやー、やってたの少しだけで今は部屋で眠ってますけど(笑)。

- 最後に他のユニットやレーベル活動も含め、今後の展望について聞かせてください。

 minamoはすごくマイペースなんだけど、いまROOM 40のローレンス・イングリッシュとのコラボレート作品の制作が進んでいます。レコーディングでもしっかり時間をかけてスタジオで録音してみたいですね。あとFourColorやminamoもそうだけど、廃盤になってる音源をどうにかしたいです。再発とか。そういう過去のディスコグラフィーを含めた自分自身の活動をまとめたホームページを最近作ったので、よかったら見てください(杉本佳一web site http://www.frolicfon.com/)。レーベルのcubic musicに関してはホームページとかジャケットとかを一新する予定です。あとは杉本佳一名義でも何かやっていくプランをたてています。そしてFILFLAではライヴをたくさんやってみたいですね。あとは海外での活動の幅を広げるとか……。どうなるかわかりませんが。まぁそれはともかく、良質なポップスに挑戦してみたいという気持ちはあります。

 



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